【メモ】 面白い問題解決法



世の中には様々な問題解決法が提唱されている。
やれ論理的思考だのマトリックスを使うだのバラエティに富んでいる。

問題は人間が生きてる限り発生してくるし、問題を上手く解決する方法の需要も途切れないのかもしれない。


そんな中で面白いと思った解決方法を例を一つ。

昔とある町で地区を二つに分かつ川に橋がかけられた。
片方の町名は魚町。もう一つは京町。

橋は二つの町の中央を渡る。どちらの物とも言いがたい。
橋の名前をどうするかにあたって二つの町の住民達が紛糾した。
それぞれが自分らの側にちなんで「京橋」とつけろ、いや「魚橋」にしろ、ともめたのだ。

両方の町に関わることだ。どっちを選んでも角が立つ。
役人も一方に肩入れはできず、大もめにもめたという。


もしここで自分が当事者で、解決を図らなければならないとなったらどうするだろう?

問題は感情や人間心理に関わる。論理的思考などで論理的に解決しにくい。
簡単に正誤がつかないからだ。

ここで一人の賢い人間が出てきた。
ビジネススクールで問題解決スキルを学んだわけでもなく、大学教育も受けていない。
すべては自分の頭で解決を図る必要がある。


その解決方法は……なんと両方の名前を取って「鯨橋」とするというものだった。


一休さんか!と突っ込みたくなる感じもあるが、面白い。
もし本当にあった話なら頭が柔らかい。

しかしこれは実話なのだろうか? 小話にでもありそうな気がする。

調べてみるとどうも九州辺りに元ネタがありそうなのだ。町の名前から江戸時代の上方か江戸辺りの話かと思っていたが、唐津の町という

説もあるそうで、いつか町史にあたってみたい。

これとは別に、近所の「福岡」と「博多」の争いなら事実である。
有名なので知ってる人も多いだろうが、「博多」は那珂川の東側で商人の町、「福岡」はその西側、福岡城のある方で武士の町とされる。
(「福岡」は当地を治めた黒田長政の故郷の地名からという)

明治に市制が敷かれる際に「福岡」にするか「博多」にするかで現地は大もめともめた。
一票差で「福岡」に決定したものの、痛み分けで駅名は「博多」に譲って今に至るとの話。


「鯨橋」のようにスマートでユーモアのある解決とはいかないが、現実的な妥協の結果とは言える。

この辺の争いが「鯨橋」の逸話と関連付けられたのかもしれない。