【メモ】世界的企業の創業者の共通点

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最近はやれグローバルだの、世界がどうこうという声がかまびすしい。
企業経営に関しても世界的なトピックを持ち出すのが流行である。

では世界的な企業とはどんなものだろう?
世に成功した巨大企業はふんだんにあるが、「世界的な企業」レベルのもの……

すぐに名前が浮かんだのは以下の企業だ。

マクドナルド、スターバックスケンタッキーフライドチキンコカ・コーラ

世界中どこに行っても見かけるし、反米やアンチグローバル企業みたいな人でも代表的な世界企業と認めるだろう。誰でも知ってる。

スターバックスなど必ずといっていいほど反企業的な政治活動の攻撃対象になってるし、
マクドナルドに至っては「ビックマック指数(世界各国の通貨レートを計る指標)」という言葉まで生まれているほどだ。

普通の人はサラリーマンをやるだけでも大変なのだ。こうした世界的な企業を創るのは容易ではない。

果たしてその途方もないことを実現した創業者たちは、何か非凡なところがあったのだろうか? それこそ一般人とは異なるような・・?


この四つの企業を創った創業者たち

マクドナルド=レイ・クロック

スターバックスハワード・シュルツ

ケンタッキーフライドチキン=ハーランド・サンダース(いわゆるカーネル・サンダース

コカ・コーラジョン・ペンバートン(コーラの原液開発)、エイサ・キャンドラー(コーラの権利買い取って事業化)


実は彼らには面白い共通点がある。それは一般的な成功者のイメージにも反する所もあるので記しておきたい。

◇◇◇

☆事業はオリジナルのアイデアとはいえない

ハワード・シュルツ
→地方の凝った高級コーヒー豆販売店を買い取り、イタリアのカフェのやり方を模倣して発展させる。

レイ・クロック
フランチャイズ権利を買って店を発展させ、最終的に元の店も買い取った。

コカ・コーラ
→原液の開発者ペンバートンは、当時ヨーロッパで流行していた薬用酒を参考にコカイン成分も添加して作成。有体に言えば「パクった」。(最初の名前は「フレンチ・ワイン・アンド・コカ」)

薬品の販売業者のキャンドラーは、現地でそこそこ売れていたコーラの権利を買い取り、
ソフトドリンクとして発展させ、広告戦略も使って大成功。
(今のコカコーラはキャンドラーから会社を買収して開始されたもの。更にオリジナル性は乏しい)

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ケンタッキーフライドチキンだけは、サンダースが独自に発見したとされる。
伝説では子供時代に鶏肉をカリカリに焼いて皆に振舞ったら非常に好評で、サンダースはその時の経験を大人になるまで覚えていた。
それを開業する時に再びやってみたと。

どこまで事実か分からないが、本当なら子供でもできる程度のものなわけである。
抜群に凄いオリジナル性があると言えるか難しい。


☆遅咲きも多い

それぞれの成功の元になった仕事を始めた年齢を見てみよう。

カーネル・サンダース
→40歳。物置を改造して軽食もできるKFCの元になるガソリンスタンド設立。

レイ・クロック
→52歳、胆嚢摘出と甲状腺手術した後。フランチャイズの権利を得てマクドナルドを設立。58歳でマクドナルド本体も買い取る。

コカ・コーラ
→ペンバートンが原液を開発したのは48歳。キャンドラーは37歳の時にコーラの権利を買い取り、41歳でコカコーラ設立。

ハワード・シュルツ
→29歳でスターバックスに転職。32歳でスターバックスから独立して元となるカフェを開く。34歳で母体のスターバックス買収。

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シュルツだけは割合若めである。それでも後の世界的な企業の創業者といえど、若い時に起業してすぐに大成功というわけではない。


☆必ずしも金持ち・上流階層出身ではない

カーネル・サンダース
6歳で父親を亡くし母子家庭。母が工場に勤めて家計を支える。
10歳から働きに出て農作業、大工、車掌など職を転々。学歴・資産無し。

レイ・クロック
父親が中卒サラリーマン、母は自宅でピアノ教室で日銭を稼ぐ家庭。
紙コップのセールスマン、バーのピアニスト、バンドのメンバーなどから
マルチミキサー(五種類のミルクセーキを一度に作れる)のセールスマン。

エイサ・キャンドラー
戦争で没落した商人の家。貧しい子供時代で大学にも行けなかった。

ハワード・シュルツ
NYの最貧困地帯の低所得者用の共同住宅で育つ。
両親は共に中卒で病院代やフットボールの制服を工面できないレベルの家計。

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コーラ発明のペンバートンだけは割合裕福な中流家庭だったようである。
大学に行ける余裕もあった。

スターバックスのシュルツは、住んでる所の名前を言っただけで軽侮される貧困地域だったそうである。自伝にも若い時に見下された屈辱のことを書いている。

要するにほぼ中〜下流であり、上流階級や大金持ちはほどんどいない。
言葉が悪いが今時に使われる底辺とか下層にあてはまることもあり、やはり人間は単純に階層で分けられない。

富裕層や東大家庭の再生産がメディアで特集されたこともあったが、人間の才能は単純な基準では見切れないとも言える。

途上国に残ってるような階級意識でガチガチにすると、世界に冠たる企業を築く人材も出現しなくなるかもしれない。



☆大して高学歴ではない

レイ・クロック→高校中退で世に出る。

カーネル・サンダース→小卒。今風に言えば義務教育だけ。

ハワード・シュルツ→ノーザンミシガン大学卒だが、フットボールのスポーツ推薦。

キャンドラー→高卒程度。十代で働きに出る。
(後に大学にいけるチャンスがあったそうだが、弟に譲った)

※原液開発のペンバートンは南部の医科大学を卒業してる。

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どの創業者もハーバードなどの名門や特別な教育を受ける学校にも通っていない。
どちらかといえば低学歴や叩き上げである。


☆独特の感性と行動力がある

成功のきっかけとなった一歩を見てみよう。

レイ・クロック
当時販売していたマルチミキサーを八台も使って大繁盛してる店があると聞いて興味を持つ。
わざわざ夜間飛行機に乗って現地訪問。マクドナルド兄弟と出会う。

そのハンバーガーショップの洗練された運営システム、店の清潔さ、ポテトやハンバーガーの味などに感心。フランチャイズ契約で自分も同じ店を始める。

カーネル・サンダース
子供の頃の料理の成功体験を覚えており、それを蘇らせて事業に応用。
事業に何度失敗してもあきらめず、売り込みも何百件も断られてもやるガッツがあった。

ハワード・シュルツ
雑貨店従業員時代、小さな珈琲豆販売会社が高価なコーヒーメーカーを大量に注文。
大口注文を不思議に思い、その遠方の店をわざわざ出かけてき、奥深いコーヒーの世界を教えられる。
感動して待遇が下がるにもかかわず転職した。

またイタリア訪問の際に現地のコーヒー文化とコミュニティに溶け込んだ姿勢に感心。
それらをアメリカの新しいコーヒーショップに結実させて成功。

・コカコーラ
ペンバートンは当時流行していた薬用酒の良さに着目。それを改良してコーラを考案。

キャンドラーはご当地レベルの流行に過ぎなかったコーラの良さに着目して買い取る。
それをさらに改良して宣伝とつなげ全国ナンバーワンレベルに。

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ここで注意すべきはインスピレーションを受けた対象は誰でも見ることができた点である。
隠されていない。同じものを見た人々は沢山いたのだ。

しかしその美点を評価し、自分の事業に取り入れたのはごく少数であった。

成功の元になるアイデアと出会ったのは偶然でも、創業者たちにはそれを評価し見逃していない。
そこから強い「意志」でもって経営につなげている。


☆若い時はあまりパッとしてない。

・レイ・クロック
高校中退してからはピアニスト、バンドのメンバー、紙コップのセールスマンなど転々とし、
マクドナルドを知る直前は事業の失敗で負債も抱えていた。

・サンダース
農場の労働者、大工、保険外交員、自動車修理工、タイヤのセールスマンなど40以上の職を転々。
若い時は年齢詐称して一年間キューバで兵役に就いたことも。
経営するガソリンスタンドが倒産したり、レストランが火事に見舞われたことも。

コカ・コーラ
ペンバートンは優れた薬剤師や化学者としての腕があったが、南北戦争で負傷してモルヒネ中毒。
モルヒネ代が工面できず、医薬代わりにコーラ酒を開発したのが始まり。

エイサ・キャンドラーは地方で薬の行商や販売を行ってたごくありふれた業者である。

ハワード・シュルツ
スポーツ推薦で大学入るも限界を感じて退部。
アルバイトしながら卒業するもやりたいことが見つからない。

ゼロックスワープロのセールスマンから初めて、スウェーデンの家具雑貨販売店アメリカ支社副社長。

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シュルツはそこそこ出世している。他も食べていける程度ならやれている。

しかし周りと比較してずば抜けて凄いとか、非凡なビジネス手腕や天才性を示していたとはいえない。
逆に前半生はあまりうだつがあだらなかったり、鳴かず飛ばずも多いのだ。


☆特に「グローバル」な教育などは受けていない

どの人間も名門大学や高名なビジネススクールにも通っていない。
また留学や幅広く世界を見るといった経験にも乏しい。

ただスターバックスのシュルツは低所得者用の共同住宅であったために、
子供時代は黒人やその他のマイノリティの貧しい子供が仲間でよく遊んだそうである。

サンダースは一年間キューバで兵役を務めているが、これは米軍中心なので果たしてグローバルな
視野を得たといえるか不明である。

レイ・クロックは第一次大戦でヨーロッパに出征する予定で訓練は受けていた。
サンダースと同じく年齢詐称による入営で衛生部隊で救急車の運転手として活動するはずが。
直前に戦争が終わってしまった(ちなみに同じ部隊にはあのウォルト・ディズニーが居たそうである)


つまりどれも世界に遊学して幅広く見聞を養ったなどの経験があるわけではない。
シュルツはイタリアへの出張がカフェ文化を知る大きな転機となったが、短期の旅行程度である。
この程度の経験がある人間はいくらでも居るだろう。


要はどの創業者も取り立てて国際的に豊かな視野があったわけではない。
結果としてグローバル企業になってるが、グローバル的なものが成功の要素かというと首を傾げる。

どの創業者もアイデアや成功のきっかけを自分の体験から得ている。
そしてそれはグローバル云々が問題になったのではない。

自分が本当に素晴らしいと思ったことや、価値をおけるものを見つけ出してきて事業につなげたのだ。